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2017年09月23日

介護が必要な人を残して逝く場合 / 行政書士だけでは食えない今の時代を生き抜くためのヒントは孫子の兵法にあり

自分の配偶者や障害のある子供が介護が必要な状態でありながら、自分の寿命の方が先に尽きてしまうことを覚悟している方もいると思います。
幸い、元気な子供がいて、彼らが自分の配偶者や障害のある子供の面倒を見てくれるというのであれば、恵まれていると言えるかもしれません。
家族の面倒を見るのに損得勘定などは考慮するべきではないかもしれません。しかし、介護が必要な状態が長く続くようだと、家族も疲弊してしまいます。
子供が自分の人生を犠牲にしながら、親や兄弟の面倒を見るような事態となれば、あなたとしても、やりきれないことでしょう。
やはり、介護施設への入居を検討する事も必要です。そのためには、一定の資産が必要になります。
「自分の遺産はすべて、介護が必要な子供のために使ってくれ」という趣旨の遺言を残したとしても、そのとおりに実行されるとは限りません。
先を見据えた対策を練っておく必要があります。
例えば、不動産を健康な子供と障害のある子供の共有にするというのも一つの方法です。
通常、不動産の相続において、共有状態を作り出すことは望ましいことではないとされていますが、共有にしておけば、健康な子供が障害のある子供を一方的に追い出すことは、できなくなりますから、とりあえずは、障害のある子供の住まいが確保されることになります。
一方で、健康な子供には、障害のある子供の面倒を見てやってほしい。あるいは、介護施設に入れる世話をしてやってほしいと思っているならば、健康な子供に金融資産の大半を相続させて、「この資産は障害のある子供の面倒を見るために使ってほしい」という付言事項を残しておくのも一つの手です。
付言事項には、法的な拘束力はありません。その文言に反して、他の用途に金融資産を流用してしまったとしても、誰も文句は言えないわけです。
でも、責任感のある子供であれば、親の付言事項に背くことはないでしょう。
元気な子供に、負担をかけたくないとか、どうしても信用できない。というのであれば、第三者に遺産を託して、自分の配偶者や障害のある子供の面倒を見るために運用してもらうしかありません。
特定贈与信託もその一つの方法です。
特定贈与信託は、特定障害者――重度の心身障がい者、中軽度の知的障がい者、障害等級2級、3級の精神障がい者等――の生活の安定を図ることを目的に、その親族等が金銭等の財産を信託銀行等に信託するものです。
信託銀行等は、信託された財産を管理・運用し、特定障害者の生活費や医療費のために、定期的に金銭を交付します。
第三者である信託銀行等が財産を管理・運用するわけですから、他の用途に流用される心配はありません。
また、特定贈与信託を利用すると、税金面でも有利になります。
具体的には、
特別障害者――重度の心身障がい者――の方については6,000万円
特別障害者以外の特定障害者――中軽度の知的障がい者および障害等級2級または3級の精神障がい者等――の方については3,000万円
を限度として贈与税が非課税となります。
介護の問題は、一筋縄ではいきません。一人で悩まずに、介護問題に詳しい人に相談して、早く身軽になりましょう。


●実録行政書士開業十年シリーズ
行政書士だけでは食えない今の時代を生き抜くためのヒントは孫子の兵法にあり



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平成十五年の行政書士試験合格後、大学卒業と共に行政書士補助者となるも二か月で失業。
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posted by 大滝七夕 at 19:32| 実務のヒント

2017年09月22日

遺言による未成年後見人の指定 / 行政書士だけでは食えない今の時代を生き抜くためのヒントは孫子の兵法にあり


・未成年後見人の指定

子供が成人する前に自分の寿命が尽きると覚悟している方もいると思います。
片親が存命であれば、子供の親権者は片親だけになりますが、親が二人ともいなくなる場合は、自分の代わりに親権者となってくれる人を探さなければなりません。

親の代わりに子供の面倒を見る人のことを未成年後見人と言います。
未成年後見人の指定は、遺言によって行います。
遺言によって、未成年後見人を指定しなかった場合は、家庭裁判所が選任することになりますが、子供を託せる人が決まっていないというのは子供のためにもよくないことですから、生前に決めておくことが望ましいです。

未成年後見人を決めるだけでは不安だ。未成年後見人がちゃんと面倒を見てくれるかどうか心配だという場合は、未成年後見人を監督する者を決めることもできます。これを未成年後見監督人と言います。

未成年後見人に選任された人は、親権者と同様に子供の教育や監督、財産の管理を行うことになります。これらの行いに対しては、未成年者の財産(未成年者が相続した遺産)から報酬が支払われることになります。
なお、資力がない場合は、市町村などで支援制度を用意していることもあります。



・未成年後見人を指定する以外の方法

未成年後見人を指定する方法以外にも子供の面倒を見てもらう方法はあります。

一つは、信頼できる人に対して負担付遺贈を行う方法です。
遺産を遺贈する見返りとして、受遺者に子供の面倒を見るという負担を負わせるというものです。本当に子どもの面倒を見てくれるかどうか不安だという場合は、遺言執行者を指定することで、受遺者の行いを監督させることもできます。
裁判所が関わらないというだけで、未成年後見人とほぼ同様の目的を達することができますが、やはり、未成年後見人を指定する方法に比べると、不安があるのは否めません。
また、負担付遺贈を受けた者は、遺贈の目的の価額を超えない限度においてのみ、負担した義務を履行する責任を負う。 とされているので、遺産に余裕がある方しか利用できません。

もう一つの方法は、子供を養子に出すという方法です。
養子縁組を結んだ場合は、養親は新たな親権者となりますから、無報酬で子供の養育監護を行うことになります。
資力がない場合でも利用できる制度ですが、養親が子を虐待しないかどうか不安だという方もいるでしょう。養親となる者が信頼できる人間かどうかを見極めることが大切です。



※民法条文

(未成年後見人の指定)
第八百三十九条  未成年者に対して最後に親権を行う者は、遺言で、未成年後見人を指定することができる。ただし、管理権を有しない者は、この限りでない。
2  親権を行う父母の一方が管理権を有しないときは、他の一方は、前項の規定により未成年後見人の指定をすることができる。

(未成年後見人の選任)
第八百四十条  前条の規定により未成年後見人となるべき者がないときは、家庭裁判所は、未成年被後見人又はその親族その他の利害関係人の請求によって、未成年後見人を選任する。未成年後見人が欠けたときも、同様とする。
2  未成年後見人がある場合においても、家庭裁判所は、必要があると認めるときは、前項に規定する者若しくは未成年後見人の請求により又は職権で、更に未成年後見人を選任することができる。
3  未成年後見人を選任するには、未成年被後見人の年齢、心身の状態並びに生活及び財産の状況、未成年後見人となる者の職業及び経歴並びに未成年被後見人との利害関係の有無(未成年後見人となる者が法人であるときは、その事業の種類及び内容並びにその法人及びその代表者と未成年被後見人との利害関係の有無)、未成年被後見人の意見その他一切の事情を考慮しなければならない。

(未成年後見監督人の指定)
第八百四十八条  未成年後見人を指定することができる者は、遺言で、未成年後見監督人を指定することができる。
(後見監督人の選任)
第八百四十九条  家庭裁判所は、必要があると認めるときは、被後見人、その親族若しくは後見人の請求により又は職権で、後見監督人を選任することができる。
(後見監督人の欠格事由)
第八百五十条  後見人の配偶者、直系血族及び兄弟姉妹は、後見監督人となることができない。

(後見人の報酬)
第八百六十二条  家庭裁判所は、後見人及び被後見人の資力その他の事情によって、被後見人の財産の中から、相当な報酬を後見人に与えることができる。

(負担付遺贈)
第千二条  負担付遺贈を受けた者は、遺贈の目的の価額を超えない限度においてのみ、負担した義務を履行する責任を負う。
2  受遺者が遺贈の放棄をしたときは、負担の利益を受けるべき者は、自ら受遺者となることができる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

(負担付遺贈の受遺者の免責)
第千三条  負担付遺贈の目的の価額が相続の限定承認又は遺留分回復の訴えによって減少したときは、受遺者は、その減少の割合に応じて、その負担した義務を免れる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。


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posted by 大滝七夕 at 21:35| 実務のヒント

2017年09月21日

連れ子がいる場合の相続関係 / 行政書士だけでは食えない今の時代を生き抜くためのヒントは孫子の兵法にあり


連れ子のいるパートナーと結婚した場合、連れ子との間に親子関係を生じさせるためには養子縁組をしなければなりません。

連れ子が成人していて、同居する予定がないが、法的な親子関係を生じさせたいという場合はもちろんのこと、未成年なので当然、同居し続けるという場合でも、連れ子との法的な親子関係を生じさせるためには、婚姻届とは別に、養子縁組の届け出を提出しなければなりません。

養子縁組をしておけば、いざ相続となった時、連れ子でも実子と同様に法定相続人となることができます。

養子縁組を結んでいない場合は、どんなに親密な関係だったとしても、連れ子は法定相続人となることができません。

その場合でも、遺言書によって、遺産を遺贈することはできますが、相続人の中に実子もおり、連れ子との関係が微妙な場合は、トラブルに発展しがちです。

実子にしてみれば、血のつながりのない他人がどうして、自分の親の遺産を受け継ぐのかと不満に思うでしょうし、連れ子にしてみれば、血のつながりがなくても親子同然に暮らしていたのだから、遺産を受け継ぐ権利があると考えるでしょう。

そんな時、連れ子が養子縁組をしておらず、法定相続人ではないとなると、立場は弱くなり、遺産分割でも不利になるということもあり得ます。

連れ子にも実子と同様に遺産を受け継がせたいと思っているのなら、養子縁組をしておくべきです。

なお、連れ子のいるパートナーと離婚した場合、養子縁組を結んだ連れ子との関係が当然に解消されるわけではないという点にも注意が必要です。

パートナーと離婚した後でも養親と養子の関係は継続し続けます。

ですから、いざ相続となった場合は、離婚してから完全に縁を絶った連れ子でも、相続人となる資格を有することになるので注意が必要です。

連れ子との関係も離婚と同時に終わらせたいという場合は、離婚届とは別に、連れ子との養子離縁届を提出しなければなりません。



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posted by 大滝七夕 at 23:09| 実務のヒント
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