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2017年09月16日

相続人が多数になる場合は遺言書が必須 / 行政書士だけでは食えない今の時代を生き抜くためのヒントは孫子の兵法にあり



相続人が多くなるとその分、様々な人間の思惑が絡むことになり、遺産分割は厄介になります。
相続人が多数になる場合としては、もともと子供が多いという場合もありますが、以下のような場合が多いようです。



1、被相続人が結婚と離婚を繰り返しており、その度に子供を産んでいたり、連れ子と養子縁組をしていたり、愛人を作っていた場合。

現在の配偶者との間に生まれた子供が相続人になるのは当然ですが、離婚した元配偶者との間に生まれた子供も同じく相続人になります。

配偶者の連れ子は、養子縁組した場合には、実子と同様に相続人になる権利を有することになります。離婚した配偶者の連れ子も同様で、養子縁組が継続していれば、相続人になる権利を有します。(離婚すれば、連れ子との養子縁組が自動的に解消されるというわけではありません。連れ子との関係を終わらせるには、離婚とは別に離縁の届け出をする必要があります。)

愛人の子のように、婚姻関係にない男女間に生まれた子でも、認知していればやはり、相続人になります。
かつては、法律上の婚姻関係にない男女間に生まれた子――非嫡出子(婚外子)の場合は、嫡出子の相続分の2分の1とする規定がありましたが、現在では撤廃されており、非嫡出子(婚外子)も、嫡出子と同等に相続人となる権利を有しています。



2、被相続人の子がすでに亡くなっており、代襲相続が発生する場合。

被相続人の子がすでに亡くなっている場合は、その子の子――被相続人から見れば、孫が相続人になります。孫が複数人であれば、その全員が相続人になります。(代襲相続)
孫もなくなっている場合はその子――曾孫が相続人になります。(再代襲)
被相続人が百歳近くまで長生きして、子供たちの方が先に亡くなり、さらには、孫さえも亡くなっているという場合は、相続関係はかなり複雑になり、相続人の数もかなりの数に増えることになります。



3、被相続人の子や父母がおらず、兄弟姉妹が相続人になる場合。

被相続人の子や父母がいれば、彼らが配偶者と共に相続人になりますが、そうした人がいない場合は、兄弟姉妹が相続人になります。
兄弟姉妹の数が多い場合はその分、相続関係は複雑になりますが、より厄介なのは、兄弟姉妹がすでに亡くなっており、その子供が多数いる場合です。兄弟姉妹の子供には代襲相続が発生します。被相続人から見れば、甥や姪に当たる人たちです。
なお、被相続人の直系卑属(子、孫、曾孫)の場合と違い、兄弟姉妹の子が亡くなっている場合は、再代襲相続は発生しません。つまり、甥や姪の子が相続人になることはないということです。

甥や姪になると、付き合いも希薄になっているというケースが珍しくなく、いざ相続手続きをするにしても連絡が取りづらかったり、協力が得にくかったりすることもあり得ますから、相続手続きは厄介になります。



以上のようなケースでは、法定相続人が集まって、遺産分割協議をしようとしても、連絡が付きにくかったり、話し合いがまとまらなくて、相続手続きが遅れてしまったり、トラブルに発展してしまうこともあります。
そのような事態を避けるためには、生前に遺言書を作成して、遺産分割の方法を指定しておくのも一つの方法です。


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posted by 大滝七夕 at 08:44| 実務のヒント

2017年09月12日

アイバンクへの角膜の提供(献眼)、臓器提供、献体をしたい場合 / 行政書士だけでは食えない今の時代を生き抜くためのヒントは孫子の兵法にあり


自分が亡くなった後で、自分の体を他の人のために生かしてほしいと考える方もいらっしゃると思います。アイバンクへの角膜の提供(献眼)、臓器提供や献体が代表的な例ですね。
自分の体の一部を提供する場合は、遺産の分割と違い、遺言書による意思表示よりも、生前の意思表示が非常に重要です。
遺言書は一般的には、葬式が終わった後で、遺族たちの立会いのもと、開示されるものです。
荼毘に付してから臓器提供や献体の意思を示した遺言書が出てきても、その意思は無駄になってしまいます。

・アイバンクへの角膜の提供(献眼)
角膜の寿命は、200年と言われているそうです。亡くなった方の角膜を視力を失った方に移植して視力の回復を図るということは大変有効な治療方法の一つです。
自分の角膜を他人に役立ててほしいと思っている方は、アイバンクへ登録することで、いざというときに、角膜を提供することができます。
角膜は一部の病気の場合を除き、どんな人でも提供すること(献眼)が可能です。
近眼や老眼でも角膜には問題がないそうですし、網膜などの疾患があっても角膜は移植に用いることが可能だそうです。
献眼するための処置も、臓器移植などと違い、難しい手術を必要としません。
一時間程度で済むもので、病院で処置する必要はなく、自宅でも提供が可能だそうです。眼科医が眼球を取り出し、代わりに、義眼を埋め込むため、外見上の違いはほとんどないそうです。
臓器移植などと比べれば、遺族の抵抗感も少なくて済むといえます。

献眼を行うためには、アイバンクへ登録し、登録証を手元に置いておく必要があります。
亡くなったら、アイバンクに自動的に連絡がいくというわけではないので、家族や主治医に献眼の意思を示し、登録証を託しておくようにしましょう。

・臓器提供
臓器提供をするためは、臓器移植の意思表示カードへの署名が必要です。本人ばかりでなく、家族の署名も必要です。
脳死と判定された段階から、臓器移植が行われるわけですが、脳死の段階ではまだ心臓は動いていますし、体も温かいわけです。にもかかわらず、メスを入れて、臓器を取り出し始めるわけですから、残される遺族の抵抗感も並みのものではありません。
本人の意志だけで、臓器の提供が可能になるわけではなく、残される遺族も納得していなければならないわけです。
臓器提供をしたいと強く思っている方は、生前によくよく家族に言い聞かせておくことが大切です。

・献体
献体とは、自分の遺体を丸ごと医学部等に提供して、解剖実習等に役立ててもらうものです。
臓器提供の場合は、臓器の取り出しが終われば、遺体が家族に引き渡されますが、献体の場合は、遺体が戻ってくるまで長い時間がかかります。
一般的には、数年間は大学に保管されることになるそうですから、葬式は遺体なしで行うか、葬式を行わないということになります。
本人が献体の意思を示していても、遺族の中に一人でも献体に反対する人がいる場合は、献体は行われません。この遺族というのは、配偶者や子供だけでなく、かなり広い親族を含むようです。葬式に呼ばれる遺族の全員が献体に反対していないことが条件になっているといっても過言ではありません。
献体をしたいと強く思っている方は、家族ばかりでなく、親族にも、言い聞かせておくことが大切です。


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posted by 大滝七夕 at 22:52| 実務のヒント

2017年09月11日

遺産を慈善事業に寄付するには? / 行政書士だけでは食えない今の時代を生き抜くためのヒントは孫子の兵法にあり


自分の死後は、自分の遺産を慈善事業のために使ってほしいと考える方もいると思います。

遺産を慈善事業のために活用する方法は二つあります。

一つは、既に存在する慈善事業団体に寄付することです。

遺言によって、何処何処に遺贈すると記載するだけで足りるため、最も手っ取り早い方法と言えます。そのために必要な費用は、自分の死後、自分の代わりに財産を管理する遺言執行者への報酬だけで足ります。

ただ、自分の意図するような活動をしている慈善事業団体が存在しなくて、寄付する先が見つからず困っているという方もいるかもしれません。

そんな時は、二つ目の方法として、自ら公益法人、財団法人、NPO法人等を設立することもできます。

自分の意図したとおりに遺産を活用することができますが、慈善団体を運営するためには、資金が必要です。運営資金のために遺産が消えてしまって本末転倒の結果になってしまうこともあり得ます。資金に余裕がある方だけが取りうる手段と言えるでしょう。

慈善団体に寄付する際には、二つのことに留意する必要があります。

一つは遺留分です。
遺産はすべて慈善事業のために寄付し、相続人には一切渡したくないと考えている方もいるかもしれませんが、推定相続人は、遺言書などで指定がなくても遺産のうち一定の額は必ず受け取れることになっています。

寄付した後でも、相続人は遺留分に相当する額を返すように慈善団体に求めることができますし、そうなった場合、慈善団体は拒否することができません。

せっかく寄付した遺産も訴訟の費用や弁護士費用に消えてしまうということもあり得ます。

ですから、遺贈する際には、遺留分相当額は相続人に相続させるという配慮が必要です。

もう一つは、慈善団体の受け入れ体制の確認です。

当然ですが、慈善団体のすべてが遺産を受け入れているわけではありません。遺贈の場合は、遺贈を受ける側が拒否――遺産の受け取りを辞退することもできます。

寄付を受け付けていないのに、いきなり寄付すると遺言されても団体の運営者が困惑してしまうこともあるでしょう。

また、寄付を受け付けていても、現金や預貯金のみで、不動産や宝石類などの物による寄付は受け付けていないところもあります。

ですから、生前に、慈善団体の担当者と連絡を取り合って、遺産を受け取ってくれるかどうか確認しておくことが大切です。


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