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2017年10月13日

株式を後継者以外の者に相続させるなら議決権制限株式を発行しよう / 行政書士だけでは食えない今の時代を生き抜くためのヒントは孫子の兵法にあり


中小規模の株式会社の事業承継で大切なことは、後継者に株式の大半が承継されるようにすること。

もちろん、株式だけでなく、会社の事業のために必要な資産や不動産、車や機械なども後継者が引き継げるようにしなければなりません。

でも、そうしてしまうと、後継者以外の相続人に十分な遺産が渡らず、遺留分減殺請求権を行使される可能性があるというケースも少なくないと思います。

あなたが亡くなり、相続人として、妻、長男、長女、次男が残されたとしましょう。

長男が会社の後継者になり、あなたの遺産の大半を相続。その一方で、妻、長女、次男には、ほとんど、遺産が渡らなかったとします。

四人の親子兄弟の関係がよくて、「お父さんの会社をつぶすようなことはしてはいけない。お兄さんが後継者になるのが当然だ」という意識を持っている方たちであれば、長男が遺産の大半を相続したとしても、紛糾することはないかもしれません。

しかし、親子兄弟の仲が悪いようだと「お父さんの会社なんてどうでもいい」とばかりに、自分の取り分を執拗に要求するという事態になりかねません。

会社の株式をすべて、後継者である長男に相続させると、妻、長女、次男の遺留分を侵害してしまう場合は、株式の一部を彼らに承継させるのも一つの手です。

しかし、株式を他の相続人に分散させてしまうと、株主総会における議決権が分散されてしまい、後継者が思いのままに、会社を経営できなくなってしまうという懸念もあります。

長男が株主総会で何かを決めようとしても、他の兄弟が反対して、思うままに、会社を動かせなくなってしまうわけです。

そこで、他の相続人たちに相続させる株式について、議決権を制限するという条件をつける方法もあります。

『議決権制限株式』というものです。

株式としての価値は、通常の株式同様にあり、利益の配当を受けることもできるわけですが、株主総会における議決権だけは行使できないというものです。

そんなことが可能なのかと疑問に思う方もいるかもしれませんが、会社法には次の規定があります。



(株主の権利)
第百五条  株主は、その有する株式につき次に掲げる権利その他この法律の規定により認められた権利を有する。
一  剰余金の配当を受ける権利
二  残余財産の分配を受ける権利
三  株主総会における議決権
2  株主に前項第一号及び第二号に掲げる権利の全部を与えない旨の定款の定めは、その効力を有しない。



2項に、第一号及び第二号に掲げる権利の全部を与えない旨の定款の定めは、その効力を有しない。とあります。一方で、第三号の株主総会における議決権には、言及していません。つまり、議決権を全く与えないことも可能だということです。

後継者には、普通の株式を相続させ、他の相続人には、議決権制限株式を相続させる。

そうすることで、後継者は、他の相続人の意向に左右されることなく、自由に会社の経営を行うことができるようになるわけです。

そのためには、予め、議決権制限株式を発行しておかなければなりません。

後継者が引き継いだ後で、議決権制限株式を発行して、他の相続人に配るのでは遅いのです。

あなたが、議決権制限株式を発行しておき、遺言書に、

『長男には、普通株式を何株相続させる。妻、長女、次男には、議決権制限株式を何株相続させる。』

と書き残しておかなければなりません。

しかし、議決権制限株式と分かると、妻、長女、次男が、「不公平だ!普通株式をくれ!」と要求してくることも考えられます。

もちろん、遺言書があり、遺言執行人がいて、厳正に相続手続きが行われれば、文句を言いたくても言えないということになりますが、親子兄弟の仲は、却って、こじれてしまうこともありうるでしょう。

やはり、普通株式を相続させて、納得してもらうしかないということもあると思います。

そんな時は、後で、後継者が他の相続人の株式を取り上げることができるようにしておくのも一つの手です。

つまり、他の相続人がうるさく口出しして、後継者の経営が妨げられるような事態となったら、彼らの持つ株式を取り上げて、一切、会社に関わらないようにさせるということです。

つまり、定款に『売渡請求条項』を設けておくという方法です。会社法には次のような規定が設けられています。



(相続人等に対する売渡しの請求に関する定款の定め)
第百七十四条  株式会社は、相続その他の一般承継により当該株式会社の株式(譲渡制限株式に限る。)を取得した者に対し、当該株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することができる旨を定款で定めることができる。



この条項を設けておけば、後継者が、相続人たちから、株式を回収することができるわけですが、もちろん、タダで取り上げることができるという意味ではありません。

『会社が相続人の有する株式を買い上げる』制度ですから、株式相当額の資金を用意しなければなりません。

会社の資金に余裕がある場合のみ使える条項ということになります。

会社を特定の後継者に引き継がせる際に、他の相続人に口出しさせたくない。だけど、他の相続人のための遺留分まで確保できない。
その場合は、議決権制限株式を発行しておく方法が確実です。

その上で、遺言書を作成するわけですが、遺言書は、相続人によっては記されてしまう危険性の高い自筆証書遺言ではなく、公正証書遺言を利用するべきです。

さらに、相続人以外の第三者。例えば、行政書士や司法書士などの専門家を遺言執行者に指定しておく。

そうすることで、他の相続人に文句を言う機会を与えないのが、確実と言えます。


※参考 会社法
(異なる種類の株式)
第百八条  株式会社は、次に掲げる事項について異なる定めをした内容の異なる二以上の種類の株式を発行することができる。ただし、指名委員会等設置会社及び公開会社は、第九号に掲げる事項についての定めがある種類の株式を発行することができない。
一  剰余金の配当
二  残余財産の分配
三  株主総会において議決権を行使することができる事項
四  譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること。
五  当該種類の株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること。
六  当該種類の株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること。
七  当該種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること。
八  株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社(第四百七十八条第八項に規定する清算人会設置会社をいう。以下この条において同じ。)にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とするもの
九  当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。次項第九号及び第百十二条第一項において同じ。)又は監査役を選任すること。
2  株式会社は、次の各号に掲げる事項について内容の異なる二以上の種類の株式を発行する場合には、当該各号に定める事項及び発行可能種類株式総数を定款で定めなければならない。
一  剰余金の配当 当該種類の株主に交付する配当財産の価額の決定の方法、剰余金の配当をする条件その他剰余金の配当に関する取扱いの内容
二  残余財産の分配 当該種類の株主に交付する残余財産の価額の決定の方法、当該残余財産の種類その他残余財産の分配に関する取扱いの内容
三  株主総会において議決権を行使することができる事項 次に掲げる事項
イ 株主総会において議決権を行使することができる事項
ロ 当該種類の株式につき議決権の行使の条件を定めるときは、その条件
四  譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること 当該種類の株式についての前条第二項第一号に定める事項
五  当該種類の株式について、株主が当該株式会社に対してその取得を請求することができること 次に掲げる事項
イ 当該種類の株式についての前条第二項第二号に定める事項
ロ 当該種類の株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の他の株式を交付するときは、当該他の株式の種類及び種類ごとの数又はその算定方法
六  当該種類の株式について、当該株式会社が一定の事由が生じたことを条件としてこれを取得することができること 次に掲げる事項
イ 当該種類の株式についての前条第二項第三号に定める事項
ロ 当該種類の株式一株を取得するのと引換えに当該株主に対して当該株式会社の他の株式を交付するときは、当該他の株式の種類及び種類ごとの数又はその算定方法
七  当該種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること 次に掲げる事項
イ 第百七十一条第一項第一号に規定する取得対価の価額の決定の方法
ロ 当該株主総会の決議をすることができるか否かについての条件を定めるときは、その条件
八  株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とするもの 次に掲げる事項
イ 当該種類株主総会の決議があることを必要とする事項
ロ 当該種類株主総会の決議を必要とする条件を定めるときは、その条件
九  当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役又は監査役を選任すること 次に掲げる事項
イ 当該種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役又は監査役を選任すること及び選任する取締役又は監査役の数
ロ イの定めにより選任することができる取締役又は監査役の全部又は一部を他の種類株主と共同して選任することとするときは、当該他の種類株主の有する株式の種類及び共同して選任する取締役又は監査役の数
ハ イ又はロに掲げる事項を変更する条件があるときは、その条件及びその条件が成就した場合における変更後のイ又はロに掲げる事項
ニ イからハまでに掲げるもののほか、法務省令で定める事項
3  前項の規定にかかわらず、同項各号に定める事項(剰余金の配当について内容の異なる種類の種類株主が配当を受けることができる額その他法務省令で定める事項に限る。)の全部又は一部については、当該種類の株式を初めて発行する時までに、株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社にあっては株主総会又は清算人会)の決議によって定める旨を定款で定めることができる。この場合においては、その内容の要綱を定款で定めなければならない。


(株主の平等)
第百九条  株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければならない。
2  前項の規定にかかわらず、公開会社でない株式会社は、第百五条第一項各号に掲げる権利に関する事項について、株主ごとに異なる取扱いを行う旨を定款で定めることができる。
3  前項の規定による定款の定めがある場合には、同項の株主が有する株式を同項の権利に関する事項について内容の異なる種類の株式とみなして、この編及び第五編の規定を適用する。


(議決権制限株式の発行数)
第百十五条  種類株式発行会社が公開会社である場合において、株主総会において議決権を行使することができる事項について制限のある種類の株式(以下この条において「議決権制限株式」という。)の数が発行済株式の総数の二分の一を超えるに至ったときは、株式会社は、直ちに、議決権制限株式の数を発行済株式の総数の二分の一以下にするための必要な措置をとらなければならない。


(種類株主総会の権限)
第三百二十一条  種類株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。
(ある種類の種類株主に損害を及ぼすおそれがある場合の種類株主総会)
第三百二十二条  種類株式発行会社が次に掲げる行為をする場合において、ある種類の株式の種類株主に損害を及ぼすおそれがあるときは、当該行為は、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会(当該種類株主に係る株式の種類が二以上ある場合にあっては、当該二以上の株式の種類別に区分された種類株主を構成員とする各種類株主総会。以下この条において同じ。)の決議がなければ、その効力を生じない。ただし、当該種類株主総会において議決権を行使することができる種類株主が存しない場合は、この限りでない。
一  次に掲げる事項についての定款の変更(第百十一条第一項又は第二項に規定するものを除く。)
イ 株式の種類の追加
ロ 株式の内容の変更
ハ 発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数の増加
一の二  第百七十九条の三第一項の承認
二  株式の併合又は株式の分割
三  第百八十五条に規定する株式無償割当て
四  当該株式会社の株式を引き受ける者の募集(第二百二条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。)
五  当該株式会社の新株予約権を引き受ける者の募集(第二百四十一条第一項各号に掲げる事項を定めるものに限る。)
六  第二百七十七条に規定する新株予約権無償割当て
七  合併
八  吸収分割
九  吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継
十  新設分割
十一  株式交換
十二  株式交換による他の株式会社の発行済株式全部の取得
十三  株式移転
2  種類株式発行会社は、ある種類の株式の内容として、前項の規定による種類株主総会の決議を要しない旨を定款で定めることができる。
3  第一項の規定は、前項の規定による定款の定めがある種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会については、適用しない。ただし、第一項第一号に規定する定款の変更(単元株式数についてのものを除く。)を行う場合は、この限りでない。
4  ある種類の株式の発行後に定款を変更して当該種類の株式について第二項の規定による定款の定めを設けようとするときは、当該種類の種類株主全員の同意を得なければならない。


第五款 相続人等に対する売渡しの請求

(相続人等に対する売渡しの請求に関する定款の定め)
第百七十四条  株式会社は、相続その他の一般承継により当該株式会社の株式(譲渡制限株式に限る。)を取得した者に対し、当該株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することができる旨を定款で定めることができる。
(売渡しの請求の決定)
第百七十五条  株式会社は、前条の規定による定款の定めがある場合において、次条第一項の規定による請求をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。
一  次条第一項の規定による請求をする株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)
二  前号の株式を有する者の氏名又は名称
2  前項第二号の者は、同項の株主総会において議決権を行使することができない。ただし、同号の者以外の株主の全部が当該株主総会において議決権を行使することができない場合は、この限りでない。
(売渡しの請求)
第百七十六条  株式会社は、前条第一項各号に掲げる事項を定めたときは、同項第二号の者に対し、同項第一号の株式を当該株式会社に売り渡すことを請求することができる。ただし、当該株式会社が相続その他の一般承継があったことを知った日から一年を経過したときは、この限りでない。
2  前項の規定による請求は、その請求に係る株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類及び種類ごとの数)を明らかにしてしなければならない。
3  株式会社は、いつでも、第一項の規定による請求を撤回することができる。
(売買価格の決定)
第百七十七条  前条第一項の規定による請求があった場合には、第百七十五条第一項第一号の株式の売買価格は、株式会社と同項第二号の者との協議によって定める。
2  株式会社又は第百七十五条第一項第二号の者は、前条第一項の規定による請求があった日から二十日以内に、裁判所に対し、売買価格の決定の申立てをすることができる。
3  裁判所は、前項の決定をするには、前条第一項の規定による請求の時における株式会社の資産状態その他一切の事情を考慮しなければならない。
4  第一項の規定にかかわらず、第二項の期間内に同項の申立てがあったときは、当該申立てにより裁判所が定めた額をもって第百七十五条第一項第一号の株式の売買価格とする。
5  第二項の期間内に同項の申立てがないとき(当該期間内に第一項の協議が調った場合を除く。)は、前条第一項の規定による請求は、その効力を失う。



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posted by 大滝七夕 at 21:29| 実務のヒント

2017年10月10日

中小企業の株式の相続では三分の二がキーワード / 行政書士だけでは食えない今の時代を生き抜くためのヒントは孫子の兵法にあり


中小規模の株式会社の事業承継で大切なことは、後継者に株式の大半が承継されるようにすることです。

中小企業では、社長自身が会社のオーナーで株式の大半を有しているのが一般的だと思います。

その場合、社長が亡くなり、相続が開始すると、社長の相続人が法定相続分に従って、株式を承継することになります。

例えば、妻、長男、長女、次男が相続人だったとすると、妻が六分の三、長男、長女、次男が六分の一という具合に、株式を相続することになります。

この場合に問題となるのが、株主総会における議決権が分散されてしまうということです。



会社法には、株主総会の決議における議決権についての定めがあります。

一般的な事項に関しては、『株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。』とされています。

重要な事項に関しては、『議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。』とされていますし、『議決権の四分の三以上に当たる多数をもって行わなければならない。』と定められている事項もあります。

もしも、社長自身が有していたのが、総株主の議決権の三分の二に相当する株式だったとしましょう。

妻、長男、長女、次男が法定相続分に従って、相続した場合、株主総会において、重要な事項を決議するためには、妻、長男、長女、次男の四名が全員一致しなければならないことになります。

もちろん、親子兄弟が仲良くやっているならば、当面は問題ないかもしれませんが、少しでも関係が崩れると、たちまち、株主総会で物事を決められない事態になってしまい、会社の経営に支障をきたすことになってしまいます。



そこで、重要なのが、会社の後継者と決めた者に、オーナー兼社長である被相続人が有していた株式を集中的に相続させるということです。

例えば、長男を後継者と決めたら、会社の株式をすべて、長男に集中させるようにしなければなりません。そうすることで、長男は、自分の思い通りに会社を動かしていくことができるわけです。

もちろん、逆も考えられます。

長男一人に会社を任せるのは危なっかしいというのであれば、あえて法定相続分で相続させることで、他の兄弟たちに、長男の監視役を担ってもらうということも考えられます。

ですが、身内に会社の経営を監視させるのは好ましいことではありません。監視という名目の下、会社の経営権をめぐる兄弟同士の諍いに発展してしまうからです。



株式を後継者に集中的に相続させるためにも、遺言書を書き残す必要があります。

この場合に注意しなければならないのが、何度も取り上げている遺留分です。各相続人の遺留分に配慮しながら、総株主の議決権の三分の二に相当する株式が、後継者に集中するように調整しなければならないのです。



※会社法
(株主総会の決議)
第三百九条  株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。
2  前項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。この場合においては、当該決議の要件に加えて、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で定めることを妨げない。
一  第百四十条第二項及び第五項の株主総会――株式会社又は指定買取人による買取り
二  第百五十六条第一項の株主総会(第百六十条第一項の特定の株主を定める場合に限る。)――株式の取得に関する事項の決定
三  第百七十一条第一項及び第百七十五条第一項の株主総会――全部取得条項付種類株式の取得に関する決定、売渡しの請求の決定
四  第百八十条第二項の株主総会――株式の併合
五  第百九十九条第二項、第二百条第一項、第二百二条第三項第四号、第二百四条第二項及び第二百五条第二項の株主総会――募集株式の発行(募集事項の決定、募集事項の決定の委任、株主に株式の割当てを受ける権利を与える場合、募集株式の割当て、募集株式の申込み及び割当てに関する特則)
六  第二百三十八条第二項、第二百三十九条第一項、第二百四十一条第三項第四号、第二百四十三条第二項及び第二百四十四条第三項の株主総会――新株予約権の発行(募集事項の決定、募集事項の決定の委任、株主に新株予約権の割当てを受ける権利を与える場合、募集新株予約権の割当て、募集新株予約権の申込み及び割当てに関する特則)
七  第三百三十九条第一項の株主総会(第三百四十二条第三項から第五項までの規定により選任された取締役(監査等委員である取締役を除く。)を解任する場合又は監査等委員である取締役若しくは監査役を解任する場合に限る。)――株主総会の決議による役員及び会計監査人の解任
八  第四百二十五条第一項の株主総会――役員等の損害賠償責任の一部免除
九  第四百四十七条第一項の株主総会(次のいずれにも該当する場合を除く。)――資本金の額の減少
イ 定時株主総会において第四百四十七条第一項各号に掲げる事項を定めること。
ロ 第四百四十七条第一項第一号の額がイの定時株主総会の日(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認があった日)における欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えないこと。
十  第四百五十四条第四項の株主総会(配当財産が金銭以外の財産であり、かつ、株主に対して同項第一号に規定する金銭分配請求権を与えないこととする場合に限る。)――剰余金の配当に関する事項の決定
十一  第六章から第八章までの規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会――第六章 定款の変更(第四百六十六条)、第七章 事業の譲渡等(第四百六十七条―第四百七十条)、第八章 解散(第四百七十一条―第四百七十四条)
十二  第五編の規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会――組織変更、合併、会社分割、株式交換及び株式移転
3  前二項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会(種類株式発行会社の株主総会を除く。)の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。
一  その発行する全部の株式の内容として譲渡による当該株式の取得について当該株式会社の承認を要する旨の定款の定めを設ける定款の変更を行う株主総会
二  第七百八十三条第一項の株主総会(合併により消滅する株式会社又は株式交換をする株式会社が公開会社であり、かつ、当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式等(同条第三項に規定する譲渡制限株式等をいう。次号において同じ。)である場合における当該株主総会に限る。)――吸収合併契約等の承認等
三  第八百四条第一項の株主総会(合併又は株式移転をする株式会社が公開会社であり、かつ、当該株式会社の株主に対して交付する金銭等の全部又は一部が譲渡制限株式等である場合における当該株主総会に限る。)――新設合併契約等の承認
4  前三項の規定にかかわらず、第百九条第二項の規定による定款の定めについての定款の変更(当該定款の定めを廃止するものを除く。)を行う株主総会の決議は、総株主の半数以上(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)であって、総株主の議決権の四分の三(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。
5  取締役会設置会社においては、株主総会は、第二百九十八条第一項第二号に掲げる事項――株主総会の招集の決定――以外の事項については、決議をすることができない。ただし、第三百十六条第一項若しくは第二項に規定する者の選任――株主総会に提出された資料等の調査――又は第三百九十八条第二項の会計監査人の出席を求めること――定時株主総会における会計監査人の意見の陳述――については、この限りでない。

※第百九条
(株主の平等)
第百九条  株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければならない。
2  前項の規定にかかわらず、公開会社でない株式会社は、第百五条第一項各号に掲げる権利に関する事項について、株主ごとに異なる取扱いを行う旨を定款で定めることができる。
3  前項の規定による定款の定めがある場合には、同項の株主が有する株式を同項の権利に関する事項について内容の異なる種類の株式とみなして、この編及び第五編の規定を適用する。
(株主の権利)
第百五条  株主は、その有する株式につき次に掲げる権利その他この法律の規定により認められた権利を有する。
一  剰余金の配当を受ける権利
二  残余財産の分配を受ける権利
三  株主総会における議決権
2  株主に前項第一号及び第二号に掲げる権利の全部を与えない旨の定款の定めは、その効力を有しない。



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posted by 大滝七夕 at 20:56| 実務のヒント

2017年10月04日

中小企業の事業承継対策は、事業を継いだ瞬間から考えよう / 行政書士だけでは食えない今の時代を生き抜くためのヒントは孫子の兵法にあり


中小企業の事業承継対策は、事業を継いだ瞬間から考えよう

中小企業の事業承継において大切なことは、後継者に事業に必要な資産を余すことなく承継させるということです。

そのためには、

1、元気なうちに、後継者を決め、経験を積ませる。
2、事業に必要な資産を整理する。
3、それらの資産が、後継者に受け継がれるように、遺言書を作成しておく。

ことが大切です。

まず、後継者を誰にするのかは、早い段階で決定しておかなければなりません。

自分の子供を後継者にするのか。

子供は受け継ぎたくないと言っているなら、他に承継させられる人がいるかどうか。を検討しましょう。

自分の子供の一人を後継者にすると決めたら、早い段階で、その旨を宣言して、家族はもちろんの事、取引先にも知らせるべきです。

そして、あなたが元気なうちに、後継者に仕事の多くを譲るのが望ましいでしょう。



一番肝心なのは、『経験を積ませる』ことだからです。

建設業のように、営業許認可が必要な事業の場合は、後継者が、スムーズに事業を受け継げるように、経験を積ませなければなりません。

取得済みの建設業許可を維持するためには、経営業務の管理責任者としての経験がある者が必要ですし、資格を有する専任技術者が必要になります。

専任技術者に関しては、後継者に勉強させて、建築士や施工管理技士の資格等を取らせるだけでよいのですが、経営業務の管理責任者としての経験は、実際に、経営者としての経験を積まなければなりません。

例えば、専務取締役として、五年以上の経験を積むことが求められるわけです。

もしも、後継者に、経営業務の管理責任者としての経験を積ませないまま、あなたが亡くなってしまうようなことになれば、後継者の代になった時、経営業務の管理責任者としての経験がないために、建設業許可を維持する事ができなくなってしまいます。



次に、事業に必要な資産は、どれかを見極めて、それが確実に、後継者に承継されるようにしなければなりません。

そのためには、『資産を整理して、遺言書を書くこと』が基本です。

資産を整理する際には、会社の事業に必要な資産だけをピックアップすればいいわけではありません。

例えば、会社の株式、工場の土地と建物。営業用の車や機械。運転資金が、事業のために必要な資産だったとしましょう。

それらの物を後継者に承継させる旨の遺言書を書くことは、当然ですが、それだけでは十分とは言えません。

第一に、相続税のことを考慮しなければなりません。事業に必要な資産は、多額になることが多く、相続税がかかることもあります。

相続税がかかる場合は、相続税を払うための資金も用意しなければ、いざ、後継者が承継したときに、運転資金から、相続税を捻出しなければならなかったりして、会社のお金や資産が無くなってしまうという事態になりかねません。

第二に、他の相続人の遺留分を配慮しなければならないということです。

例えば、長男を後継者に指名して、事業に必要な資産の大半を相続させた場合、他の子供たちへ相続させる遺産が何もないという事態になってしまうことも珍しくありません。

どのような事情があるにしても、相続人は、遺留分を主張することができます。

もしも、相続人が遺留分を主張すると、会社の存続が危うくなるというような事情があったとしても、遺留分減殺請求権の行使が妨げられることはありません。

他の相続人が、自分の権利を主張した結果、会社のお金や資産が無くなってしまうという事態になりかねないのです。

そのような事態を避けるためには、他の相続人に対しても、遺留分相当額の遺産を承継させるのが最も確実ですが、もしも、それだけの資産がない場合は、他の方法を考えなければなりません。

例えば、他の相続人には、生前に特別な贈与や配慮をしておくというようなことです。

建設業の方であれば、他の子供たちの家を、実費で建ててやるという様な形で納得させることもできるでしょう。

あるいは、特別に多額の学費を出してやって、いい職業に就けるように配慮するという方法も考えられます。



いずれにしても、中小企業の事業承継は、いざという時になってから、慌ててもうまくはいきません。

若い時から対策しても、早すぎることはありません。

先祖代々続いてきた事業を守るためには、先代から事業を引き継いだ瞬間から、次の世代にどうバトンタッチするのかを考える必要があります。



※建設業法
(許可の基準)
第七条  国土交通大臣又は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならない。
一  法人である場合においてはその役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいう。以下同じ。)のうち常勤であるものの一人が、個人である場合においてはその者又はその支配人のうち一人が次のいずれかに該当する者であること。
イ 許可を受けようとする建設業に関し五年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者
ロ 国土交通大臣がイに掲げる者と同等以上の能力を有するものと認定した者
二  その営業所ごとに、次のいずれかに該当する者で専任のものを置く者であること。
イ 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し学校教育法 (昭和二十二年法律第二十六号)による高等学校(旧中等学校令(昭和十八年勅令第三十六号)による実業学校を含む。以下同じ。)若しくは中等教育学校を卒業した後五年以上又は同法 による大学(旧大学令(大正七年勅令第三百八十八号)による大学を含む。以下同じ。)若しくは高等専門学校(旧専門学校令(明治三十六年勅令第六十一号)による専門学校を含む。以下同じ。)を卒業した後三年以上実務の経験を有する者で在学中に国土交通省令で定める学科を修めたもの
ロ 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し十年以上実務の経験を有する者
ハ 国土交通大臣がイ又はロに掲げる者と同等以上の知識及び技術又は技能を有するものと認定した者
三  法人である場合においては当該法人又はその役員等若しくは政令で定める使用人が、個人である場合においてはその者又は政令で定める使用人が、請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと。
四  請負契約(第三条第一項ただし書の政令で定める軽微な建設工事に係るものを除く。)を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有しないことが明らかな者でないこと。



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posted by 大滝七夕 at 21:21| 実務のヒント
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