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2018年02月18日

コンビニに二十万円をだまし取られた件について 女子大消費生活センターの事件簿2 (消費生活センターの事件簿ノベルズ)

コンビニに二十万円をだまし取られた件について 女子大消費生活センターの事件簿2 (消費生活センターの事件簿ノベルズ)

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(冒頭部抜粋)

 コンビニに二十万円をだまし取られた件について
              女子大消費生活センターの事件簿2

                               大滝七夕

 1、コンビニ払いを指示する架空請求

 房総女子大学消費生活センターは、キャンパス内の学食の隣にあり、部屋の後背が全面ガラス張りになっていて開放的な空間になっていた。
 ガラスの向こうには花の散った桜が林立し、隙間からは心地よい木漏れ日が注いでいた。
 その木漏れの恩恵を、最も受けているのは、ガラスの傍らに椅子を三つ並べて、寝そべっているだらしのない背広姿の若者である。
 ショートカットの髪型になかなか端正な顔立ちをしており、イケメンと呼ばれる範疇に属しているが、だらしなく口を開けた寝姿と、アイロンのかかっていないシャツにくたびれたスーツのせいで、魅力が大幅に減退している。左衿の金ぴかの弁護士バッチまでもが輝きが失われているように見えてしまう。
 もう一人、木漏れ日の恩恵を受けている女子学生がいた。
 ガラスにぴったりと寄り添うようにして一人用のテーブルセットを置き、超ミニスカートで足を組んで椅子に腰かけて、ファッション雑誌を眺めているやたらとセクシーな女子である。
 うりざね顔で切れ長の眼差しに、ロングの黒髪をポニーテールに束ねた様は若武者の様である。おまけに高身長と来ているので、一見するとイケメンの男のようにも見えるが、露出度の高い服から覗くボリュームのある胸とくっきりとしたくびれを見れば間違えることはないだろう。
 部屋の中央に置かれたテーブルには、三人の女子学生相談員が、カップルの相談者と向かい合っていた。
 その日の昼休みに、相談に訪れたのは、房総女子大学社会学部の女子学生と上総大学理工学部の男子学生だった。二人とも二年生で二十歳だという。
 上総大学は、房総女子大学のすぐ隣にキャンパスがある共学の国立大学で主に理系学科が設けられている。女子学生は少ないため、彼女を探している男子学生の足は自ずと房総女子大学に向く。両大学の学生同士がカップルになることは珍しくなかった。
「達夫君がね、お金を貸してほしいというから、どうしたのって聞くとやばい状態だって。一体、何にお金を使ったのと聞くといろいろ支払いをしなきゃいけないって」
 真島結衣と名乗った女子学生が頬を膨らませながら、隣でうつむき加減にしている男子学生を突いた。
 結衣は、サラサラのロングヘアをなびかせ、男好きのする顔立ちをしていた。胸や腰回りに程よい膨らみがあり、男子学生の興味をそそりそうな体つきをしている。
 男子学生と交流していれば自然と声をかけられるだろうし、ボーイフレンドには困らないだろうと思われた。
 一方の達夫君と呼ばれた男子学生――平河達夫は、女子の興味を引きそうもない冴えない容貌だった。
 髪の毛はぼさぼさだし、額縁眼鏡のレンズの奥に覗くトロンとした垂れ目はどことなく弱弱しさが漂う。唯一の特長は背が高いことだけだろう。やたらと白い面長の顔で痩せた体つきをしており、洞窟の中でひょろひょろに育ったウドを連想させた。
「ほら。何に使ったのか言いなさいよ」
 結衣に突かれた達夫がおずおずと頭を上げた。
「つまりは、その……、コンビニで支払をしたからで……」
「コンビニの端末で何かの代金を支払ったんでしょ。二十万円も。一体、何の代金なの?」
 結衣の言葉に、大きなテーブルを挟んで向かい側の中央に、この部屋の主のように座っているリクルートスーツ姿の女子学生が片眉をピクリと上げた。





コンビニに二十万円をだまし取られた件について 女子大消費生活センターの事件簿2 (消費生活センターの事件簿ノベルズ)



 コンビニ払いを指示する架空請求が多発中!あなたも騙されないように気を付けよう!
 国民生活センター、消費生活センターに寄せられる最新の事案、判例を元にした消費者トラブルエンターテインメント。

 房総女子大学消費生活センターは、学生ボランティアによって運営されており、司法試験予備試験に合格済みの俊才――部長の神前愛佳、女子大空手全国大会で優勝した経験のある武闘派――白砂菜月、実家が超大金持ちのおっとりお嬢様――芽森琴音、小学生と間違われることもある童顔の一年生――七緒絵美里ら、癖のある女子大生消費生活相談員とやる気のない二十四歳の顧問弁護士村正翔太がいる。

 房総女子大学消費生活センターに三つの相談案件が持ち込まれる。
 一つは、アダルトサイトの利用料金をコンビニ払いで払うよう指示する架空請求の案件。男子学生が二十万円もの大金を騙し取られてしまったのだ。
 二つ目は、三万円の価値しかないアンティークコインを二十万円で女子学生に売りつけるマルチ商法が男子学生の間で流行っているという相談。デート商法の手口で女子学生を勧誘しており、極めて悪質だった。
 三つ目は、女子学生の銀行口座が、理由もなく、突然凍結されてしまったという相談。

 三つの相談案件は、無関係だと思われたが、絵美里らが、調べを進めるうちに、すべてが密接に関連するらしいと分かり……。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
大滝 七夕
法学部在学中に行政書士、宅建等の資格を取得し、卒業後は、行政書士事務所、法律事務所等に勤務する傍ら、法律雑誌の記事や小説を執筆し、作家デビュー。法律知識と実務経験をもとにしたリーガルサスペンスを中心に、ファンタジーや武侠小説などを執筆している。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
posted by 大滝七夕 at 21:08| 今日の小説

2018年02月17日

食える行政書士になりたければネットも営業もやめよう 実録行政書士開業十年2

食える行政書士になりたければネットも営業もやめよう 実録行政書士開業十年2

PRノベル時代はライトノベル、時代小説を読めるオンライン小説サイト/ケータイ小説サイトです。息抜きに軽く読める小説がたくさんありますよ

(冒頭部抜粋)

 食える行政書士になりたければネットも営業もやめよう 実録行政書士開業十年2

                             大滝七夕

 序 行政書士のホームページを見ているのは『同業者と受験生』だけという現実

 行政書士開業初期――2000年代初頭、私はホームページを作ろうと思ったことがあった。
 当時、すでにブログというものが流行っていたので、とりあえず、『行政書士ナユのブログ(仮名)』を作ってみることにした。
 タウンページには、建設業の事業承継が専門という趣旨の広告を出していたので、それに合わせて、建設業の事業承継をテーマにした記事をいくつか投稿してみた。
 数日で、建設業の事業承継に関する記事を書き尽くしてしまった。
 とりあえず、何か反応があるかもしれないぞと考えて、建設業の事業承継について解説したページへのリンクを目立つ位置に張り――具体的には、毎度投稿するブログ記事の一番上だ――、今日は何をしたとか、どこに行ったとかいう、業務日報や日記といった類の記事を書いた。
 しばらく経ってから、アクセス解析の検索キーワードを確認してみると……

 行政書士 とは
 行政書士 試験
 行政書士 求人
 行政書士 独学
 行政書士 仕事
 行政書士 年収
 行政書士 食える
 行政書士 食えない

 こういった類のキーワードによって、私のブログが検索されていることが分かる一方で、一番見てほしい「建設業 事業承継」や「建設業許可」といった類のキーワードが全くかすりもしていないことが分かった。
 試しに、「建設業 事業承継」や「建設業許可」というキーワードで検索してみたら、私のブログは、なかなか良い順位にいるのだ。事務所所在地の地名と組み合わせるとダントツの一位である。
 にもかかわらず、「建設業 事業承継」や「建設業許可」でアクセスしてくれる人が一人もいない。
「どうしてかなあ……」
 私が頭を抱えていると向こう側に座る弁護士の夢咲紗良先生(仮名)が
「どうしたの?」
 と首を傾げた。
「クライアントになりそうな人にブログを見て頂けないみたいなんです」
 私がその事情を説明すると、夢咲先生もため息を漏らすばかり。
「私もブログのことは詳しくは分からないけど……、一つ言えるのは、そのキーワードで検索しているのは、『行政書士の受験生』だということじゃないかしら?」
「そ、そうですよね……。どうしましょう。行政書士の受験生に見て頂いても、何の意味もないんですけど……」
「その受験生が建設業界で働いている方で、ナユのことを記憶に留めていてくれて、いざという時、そうだ、ナユ先生に相談してみようって考えてくれればいいけど……」
「そんな人はいないんじゃないですか?」
「あるいは、行政書士関係の本を出版しようとしている編集者がナユのブログを見ていて、『本を書きませんか?』と連絡してくればいいけど……」
「そんなの夢物語ですよ。大体、私は本を出すことが目的なんじゃなくて、建設業許可の仕事を取るのが目的なんですから……」
「そうなると、ブログで行政書士業務の仕事を取るのは難しいと考えるべきじゃないかしら?」
「そうですよね……。ところで、夢咲先生のブログはどうですか?」
 私が身を乗り出すと、夢咲先生も自分のブログを見せてくれた。
 夢咲先生は、相続遺言の仕事が専門だったので、もちろん、ブログにも主に、相続遺言に関する記事を掲載している。
「私の場合は、多少、反応があるわ。コメント欄に質問を残してくれる人もいるんだけど、メールや電話をくれる人は少ないのよね。コメント欄で質問して、無料で聞き出そうとする人ばかりよ。とりあえず、勉強になるから回答しているけど、なんか、タダ働きさせられている気分よね」
「やっぱり、弁護士が書いているブログだから、反応があるということなんですよね」
「そうは言っても、相続遺言関係の仕事は、弁護士、司法書士、行政書士、税理士が競合する分野だわ。検索エンジンでトップクラスの躍り出るのは至難の業よ。私の順位なんて決して高くないし」
「相続や遺言関係のキーワードで検索すると、とてつもない数のブログやホームページが出てきますよね。その中から、私たちを選んでいただくというのは、なかなか難しいですよね」
「そうよ。この先、ブログやホームページなんてどんどん増殖し続けるはずよ。よっぽどニッチな分野でない限り、見て頂ける機会はどんどん減っていくものと考えてよいと思うわ」
「そうですよね。行政書士業務の場合、ニッチな分野は見つけやすいですけど、あまりにニッチ過ぎると、見る人がいない。ということになりますよね。『建設業 事業承継』でも反応がないのに、他の特殊な業務のためだけにブログを書き続けるのは、効率がいいとは言えませんよね」
「ブログやホームページから仕事を取るなら、有名人にならなきゃだめだと思うのよね。弁護士にしても行政書士にしても、何万人もいるんだから、『弁護士でーす』って名乗ったって、反応は乏しいわ。テレビによく出ていて、芸能人なのか弁護士なのかちょっと判別しがたいような人なら、別だろうけど」
「いわゆる『ブランド化』ですよね」
「そう。『ブランド化』よく言われるわよね。でも、私たちのようにマスコミに取り上げられるわけでもない平凡な弁護士や行政書士にとっては、『ブランド化』するにしても限度があるわ」
「例えば、私なら、『小説を書くのがうまい行政書士』ということですかねえ。でも、小説を書くことと行政書士業務が結び付きませんし……。夢咲先生だと、『大学時代ミスコンに選ばれた弁護士』ということですか……」
「あら!私はミスコンには出ていないわよ」
「えっ。そうなんですか?私、てっきり、夢咲先生程の美人ならば、ミスコンに選ばれたものと思っていたんですけど……」
「ナユは、お世辞がうまいわね。うふふっ……」
「ともあれ。ブログでの集客は、あてにならないということですよね」
「そうね。ネットに頼るのはほどほどにして、やはり、アナログな手段で集客したほうがいいわ」
 その後も、私は、ブログにいろいろな記事をアップした。メールマガジンも設置したし、SEO対策もやったし、お金をかけて検索枠を買うこともした。とにかく、当時のネット集客で有効とされていたことはやりつくしたのだ。
 夢咲先生と競合するからということで、相続・遺言に関する記事は避けていたのだが、他に書くことがなくなってきたので、その手も記事も書いた。
 書けば書くほど確かに、アクセスは増えるのだ。だが検索キーワードを確認してみると、相変わらず、『行政書士の受験生』が見ていると推測できるキーワードばかりが上位に来て、肝心の行政書士業務につながるキーワードで検索していただけることはなかった。
 もちろん、全く反応がなかったわけではない。何人かの方が、問い合わせをしてくることはあった。
 だが……。その問い合わせ内容というのが……。
「お電話ありがとうございます。行政書士ナユです」
「もしもし、建設業の事業承継に関してちょっと質問したいんですけど」
「はい。何でしょうか?」
「商業登記申請をするだけではだめなんだよね」
「商業登記申請をするだけではだめというのは?」
「経営業務の管理責任者の要件を満たしておくために、専務取締役にしておくわけでしょ。それだけではだめなのかな?」
「ああ。はい、建設業許可の変更届もしなければなりませんよ」
「あっ、建設業許可の変更届が必要なんだ。それって、決算変更届出の時にやればいいの?」
「今のうちに建設業許可の変更届をしておいたほうが無難ですね」
「やっぱりそうだよね」
 ガチャっと電話が切れてしまった。
 先方の名前を聞き出す余裕がなかったのだが、私たちの事務所の電話は、電話番号が表示されるようになっているので、とりあえず、それを控えておいた。
 後で、電話番号を調べて、問い合わせをしてきたのが誰なのか確認し、何らかの営業に役立てようと思ったのだ。
 そして、その電話番号をネットで検索してみると、トップに出てきたのは……。




食える行政書士になりたければネットも営業もやめよう 実録行政書士開業十年2 (行政書士の事件簿ノベルズ(WEB限定版))


 知名度、人脈、資金ゼロ、ホームページもSNSも持たず、営業も一切やらずに、毎年一千万以上の売り上げを達成し続け、開業十周年を迎えた行政書士の戦略とは?


 私は行政書士を開業して以来、様々な方法を試した後で、私だけが成し得る独自の集客方法『チラシ小説』にたどり着きました。
 『チラシ小説』のおかげで、私は、ネットでの宣伝も、営業もセミナーも全くやらずに、行政書士の業務をコンスタントにゲットしています。

 行政書士の仕事を取るために、私がやっていることは

『チラシ小説を書くこと』

『書き上げたチラシ小説を見込み客やクライアントに配布または発送すること』

 この二つだけです。

 見込み客やクライアントの所に出向いて、ペコペコと頭を下げませんし、ゴマすりもしません。
 わざわざ、時間を割いて、酒の場やゴルフに付き合うこともしませんし、もちろん、枕営業などもってのほかです。

 それでも、見込み客やクライアントの方から、
「ぜひ、あなたにお願いしたい。他の事務所に依頼することなんて考えられない」
 とご依頼いただいています。

 値切られたこともありませんし、報酬を踏み倒されることもありません。
 それどころか、私が少し割高の料金を提示しても喜んで支払ってくれます。

 私をそんな状況に導いてくれた『チラシ小説』のエッセンスを簡潔に紹介しています。

 行政書士の方だけでなく、弁護士、司法書士、税理士、社会保険労務士等の他士業でも使える方法です。興味がある方は参考にしてください。

※この著作は『バイト補助者からの成り上がり 実録行政書士開業十年』の続編です。あわせてお読みいただくことで、より深くご理解いただけます。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
大滝 七夕
法学部在学中に行政書士、宅建等の資格を取得し、卒業後は、行政書士事務所、法律事務所等に勤務する傍ら、法律雑誌の記事や小説を執筆し、作家デビュー。法律知識と実務経験をもとにしたリーガルサスペンスを中心に、ファンタジーや武侠小説などを執筆している。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

posted by 大滝七夕 at 21:31| 今日の小説

2018年02月15日

バイト補助者からの成り上がり 実録行政書士開業十年

バイト補助者からの成り上がり 実録行政書士開業十年

PRノベル時代はライトノベル、時代小説を読めるオンライン小説サイト/ケータイ小説サイトです。息抜きに軽く読める小説がたくさんありますよ

(冒頭部抜粋)

 バイト補助者からの成り上がり 実録行政書士開業十年

                              大滝七夕

 1、時給八百円のアルバイト補助者

 平成十五年の秋。大学二年生だった私は、某マンモス大学のキャンパスで行われる行政書士試験を受験するため水道橋の駅に降り立った。
 国家試験と名付けられる資格試験に挑戦するのは、数十日前に受けた宅地建物取引主任者資格試験に次いで、二度目である。
 国家試験――。
 その重い響きに、当初、私は押しつぶされそうな重圧を感じていた。
 宅建は実家近くの開放的な某大学のキャンパスで受験した。
 人生で初めての国家試験だったとはいえ、いったん実家に戻ることができたし、私が通う秋桜大学法学部法律学科(仮名)の雰囲気に似ていたので、少しは落ち着いて取り組むことができた。
 要は大学の試験と同じだ。と思い込むことができたので、リラックスして挑戦することができたのだ。
 しかし、今回、水道橋の駅に降り立った時は、そうはいかなかった。
 緑豊かなキャンパスとはまるで雰囲気が違うのだ。どこを見渡してもビルビルビル……。
 水道橋の界隈には、大学や学校が多く集まっているらしいが、どう見てもオフィス街ではないか。
 就職活動で企業を訪問するような気分になり、たちまち緊張してしまった。
 見渡すばかり山と田園地帯が広がり、冬は雪に閉ざされる北陸のド田舎から上京してきたばかりの私にとって、都会のビル群はどうしてもなじめず、拒絶反応を感じてしまうのだった。
 古びた駅の改札を出てからすぐにやったことは、帰りの切符を買うことである。
 宅建試験を受けた帰り道で、どえらい目に遭った教訓を生かしたのだ。
 当時は、駅名が刻印された定期券を使っており、プリペイド型電子マネーを持っていなかったから、どの駅でもタッチして改札を通り抜けるというわけにはいかなかった。
 宅建試験が終わった後で、最寄りの駅に行くと、駅の通路に入りきらないほどの行列ができていた。改札口も人の行列で封鎖されてしまって、通り抜けることができないほどだった。
 一体、何の行列かと訝りながら、前の方にたどると、駅の切符売り場で切符を買う人たちの行列だった。帰りの切符を買っていなかった私は、その最後尾に並ばなければならないことを知って唖然としてしまったものである。
 宅建は、国家試験の中でも、受験者数がずば抜けて多いため、試験当日は、試験会場の最寄りの駅では特別な体制で受験者たちを迎えるのだ。
 お昼にホームを降りた時に、こんなアナウンスが流れていたらしい。
「宅建を受験される方に案内いたします。試験終了直後は、切符売り場がたいへん込み合いますので、帰りの切符は今のうちにお買い求めください」
 私は、そのアナウンスを聞き流していた。ひたすら過去問に没頭していたから、周りの音が耳に入らなかった。
 そのため、試験が終わった直後で、疲れ切っているときに、三十分近くも並んで、ようやく、一枚の切符を手に入れた。
 その疲労感は半端なかった。
 その教訓を生かして、今回は先に帰りの切符を買っておくことにしたのだ。
 水道橋駅を出ると





バイト補助者からの成り上がり 実録行政書士開業十年 (行政書士の事件簿ノベルズ(WEB限定版))



 平成十五年の行政書士試験合格後、大学卒業と共に行政書士補助者となるも二か月で失業。
 人生で最もどん底の時期を生き抜き、人脈、資金、営業経験ゼロの状態から弁護士と行政書士の合同事務所を設立し、現在、十周年を過ぎた私の開業初期の実体験を記した手記。

 私の趣味と特技は小説の執筆です。学生時代は、非モテの引き籠り体質で友達が全くいませんでした。
 はっきり言って士業には全く向いていない人間です。
 おまけに、開業した時は失業状態で、資金はゼロ。行政書士会に払う登録手数料や入会金を支払うお金もありませんでした。
 何の計画もなく、見切り発車したにもかかわらず、行政書士として十年以上生き抜き、一千万以上の売上を上げている理由は、私だけの独自の営業手法『チラシ小説』にあります。
 その秘密をほんのちょっと公開しています。
 行政書士の方だけでなく、弁護士、司法書士、税理士、社会保険労務士等の他士業でも使える方法です。興味がある方は参考にしてください。

※この小説は行政書士等士業の開業テクニックを披露する事に主眼をおいたものではありません。私のプロフィールを少し詳細に紹介している私小説に過ぎないことをご承知おきください。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
大滝 七夕
法学部在学中に行政書士、宅建等の資格を取得し、卒業後は、行政書士事務所、法律事務所等に勤務する傍ら、法律雑誌の記事や小説を執筆し、作家デビュー。法律知識と実務経験をもとにしたリーガルサスペンスを中心に、ファンタジーや武侠小説などを執筆している。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
posted by 大滝七夕 at 19:34| 今日の小説
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