2017年06月29日

宅建士試験過去問 権利関係 抵当権消滅請求 2−33 平成21年 / ライトノベル小説で学ぶ宅建士(宅地建物取引士、旧:宅地建物取引主任者)試験 過去問版

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民法379条は、「抵当不動産の第三取得者は第383条の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができる」と定めている。これに関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1、抵当権の被担保債権につき、保証人となっている者は、抵当不動産を買い受けて第三取得者になれば、抵当権消滅請求をすることができる。
2、抵当不動産の第三取得者は、当該抵当権の実行としての競売による差押えの効力が発生した後でも、売却の許可の決定が確定するまでは、抵当権の消滅請求をすることができる。
3、抵当不動産の第三取得者が抵当権消滅請求をするときは、登記をした各債権者に、民法第383条所定の書面を送付すれば足り、その送付書面につき、事前に裁判所の許可を受ける必要はない。
4、抵当不動産の第三取得者から抵当権消滅請求にかかる民法第383条所定の書面の送付を受けた抵当権者が、同書面の送付を受けた後二か月以内に、承諾できない旨を確定日付ある書面にて第三取得者に通知すれば、同請求に基づく抵当権消滅の効果は生じない。



胡桃「これは何の問題か分かるわね?」
建太郎「抵当権消滅請求に関する問題だよな。条文が書かれているのかな。ラッキーと思ったら、肝心の内容が問題文に書かれていないし……」
胡桃「当然でしょ。この問題は判例の知識を問う問題ではないわ。条文そのままの出題よ」



胡桃「まず、民法379条と383条を確認しておくわよ」

(抵当権消滅請求)
第三百七十九条  抵当不動産の第三取得者は、第三百八十三条の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができる。

(抵当権消滅請求の手続)
第三百八十三条  抵当不動産の第三取得者は、抵当権消滅請求をするときは、登記をした各債権者に対し、次に掲げる書面を送付しなければならない。
一  取得の原因及び年月日、譲渡人及び取得者の氏名及び住所並びに抵当不動産の性質、所在及び代価その他取得者の負担を記載した書面
二  抵当不動産に関する登記事項証明書(現に効力を有する登記事項のすべてを証明したものに限る。)
三  債権者が二箇月以内に抵当権を実行して競売の申立てをしないときは、抵当不動産の第三取得者が第一号に規定する代価又は特に指定した金額を債権の順位に従って弁済し又は供託すべき旨を記載した書面

胡桃「抵当権消滅請求が何のための制度かは分かっているわね?」
建太郎「つまり、抵当権が設定されている不動産を取得した第三者が、抵当権を消滅させるための制度だろ」
胡桃「そうよ。第三者のための制度であるということね。だから、第三者以外の者が抵当権消滅請求をすることはできないわ。例えば、債務者や保証人が行使する権利ではない。というのは分かるわね?」
建太郎「条文にもこうあるよな」

第三百八十条  主たる債務者、保証人及びこれらの者の承継人は、抵当権消滅請求をすることができない。

胡桃「それが分かれば、選択肢1の正誤は判断できるわね」
建太郎「OK」
胡桃「それから、抵当権消滅請求は、第三取得者が自主的に行使する権利だというのは分かるわね?」
建太郎「うん。誰かが、第三取得者に、あなたは、抵当権消滅請求を行使することができますよ。と教えてくれるわけではないんだよな。例えば、裁判所が関与するわけではない」
胡桃「そうね。第三百八十三条に、抵当権消滅請求の手続について、ざっと書かれているわけだけど、裁判所が関与するというようなことは書かれていないわ。条文を読めば、選択肢3の正誤が分かるわよね」
建太郎「OK」
胡桃「次に、抵当権消滅請求はいつまでできるのかということね。選択肢2よ。どう考えるべきかしら?」
建太郎「第三百八十三条にあるように、抵当権消滅請求というのは、第三取得者が私的に行使する権利に過ぎない。つまり、裁判所が関与する公的な権利ではない。それに対して、抵当権の実行としての競売による差押えは、裁判所が関与する公的な手続きだよな。公的な手続きが行われている時に、抵当権消滅請求ができるというのはおかしいよな」
胡桃「そうね。そう考えれば、抵当権消滅請求は、差押えが為される前にしなければならないというのが分かるわね。条文にもこうあるわ」

(抵当権消滅請求の時期)
第三百八十二条  抵当不動産の第三取得者は、抵当権の実行としての競売による差押えの効力が発生する前に、抵当権消滅請求をしなければならない。

胡桃「ちなみに、競売による差押えの効力が発生してしまうと、第三取得者としては、観念するしかないのかしら?」
建太郎「いや。そんなことはないよな。第三取得者も競売に参加することができるんじゃないかな?」
胡桃「そうね。条文にもこう書かれているわ」

(抵当不動産の第三取得者による買受け)
第三百九十条  抵当不動産の第三取得者は、その競売において買受人となることができる。

胡桃「最後に、選択肢4はどうかしら?」
建太郎「第三取得者が抵当権消滅請求の権利を有しているのに対して、抵当権者も何らかの権利を持っていてしかるべきだよな。第三取得者のいいなりになるしかないとすればおかしい」
胡桃「そうよね。具体的にはどんな権利かしら?」
建太郎「第三取得者の抵当権消滅請求に対して納得できなければ、競売の申立をするのが筋なんじゃないかな?」
胡桃「その通りだわ。建太郎にしては、頭の回転がいいじゃない」

(債権者のみなし承諾)
第三百八十四条  次に掲げる場合には、前条各号に掲げる書面の送付を受けた債権者は、抵当不動産の第三取得者が同条第三号に掲げる書面に記載したところにより提供した同号の代価又は金額を承諾したものとみなす。
一  その債権者が前条各号に掲げる書面の送付を受けた後二箇月以内に抵当権を実行して競売の申立てをしないとき。
二  その債権者が前号の申立てを取り下げたとき。
三  第一号の申立てを却下する旨の決定が確定したとき。
四  第一号の申立てに基づく競売の手続を取り消す旨の決定(民事執行法第百八十八条 において準用する同法第六十三条第三項 若しくは第六十八条の三第三項 の規定又は同法第百八十三条第一項第五号 の謄本が提出された場合における同条第二項 の規定による決定を除く。)が確定したとき。

(競売の申立ての通知)
第三百八十五条  第三百八十三条各号に掲げる書面の送付を受けた債権者は、前条第一号の申立てをするときは、同号の期間内に、債務者及び抵当不動産の譲渡人にその旨を通知しなければならない。

胡桃「つまり、第三取得者が示した額に納得できなければ、二箇月以内に抵当権を実行して競売の申立てをするべしということね」
建太郎「OK」
胡桃「というわけで答えは?」
建太郎「3だね」
胡桃「ちなみに、抵当権は、一つだけとは限らないわ。一番抵当権、二番抵当権と複数の抵当権が設定されている場合もある。そんなときは、誰が納得すれば、抵当権消滅請求の効力が生じるのかしら?」
建太郎「もちろん、抵当権者全員だよな。民法にもこうある」

(抵当権消滅請求の効果)
第三百八十六条  登記をしたすべての債権者が抵当不動産の第三取得者の提供した代価又は金額を承諾し、かつ、抵当不動産の第三取得者がその承諾を得た代価又は金額を払い渡し又は供託したときは、抵当権は、消滅する。

胡桃「それから、競売の申立以外の方法で、抵当権を消滅させる方法は、抵当権消滅請求の他にもう一つあったわよね?何か分かるかしら?」
建太郎「あっ。抵当権者から、代価を支払えば抵当権を抹消してやるよと申し出る制度だよな。代価弁済だっけ?」
胡桃「そうよ。次の条文ね」

(代価弁済)
第三百七十八条  抵当不動産について所有権又は地上権を買い受けた第三者が、抵当権者の請求に応じてその抵当権者にその代価を弁済したときは、抵当権は、その第三者のために消滅する。

建太郎「つまり、抵当権消滅請求は、第三取得者から申し出る制度。代価弁済は抵当権者から抵当権の消滅を申し出る制度だということだよな」
胡桃「そうよ。二つの制度の違いを覚えておいてね」



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でも、ライトノベル小説ならすんなりと読めるのでは?

既にお持ちの資格スクールのテキストや過去問と併用してお読みいただくことで、より一層、内容を理解することができますよ。

●あらすじ

 宅本建太郎は、元アイドルで恋人の司法書士桜咲胡桃が経営する司法書士事務所で補助者として働いていた。
 ひょんなことから、伯父で不動産王と呼ばれた宅本健一の莫大な遺産を受け継ぐことになり、健一が経営していた、不動産会社宅本・オーガナイゼーションの会長兼社長の座に就いてしまう。

 宅建士試験すら合格していないのに、巨大企業の舵取りを担うことになった建太郎は、胡桃や、美人秘書の杏咲琴美ら、美女、美少女たちのアドバイスを得ながら、宅建士や不動産会社の経営について学んでゆくラブコメストーリー?

●主な登場人物

宅本建太郎(主人公)
桜咲司法書士事務所補助者。宅建資格の勉強中。ひょんなことから伯父不動産王 宅本健一の莫大な遺産を相続することになる。

桜咲胡桃(ヒロイン1)
宅建士。司法書士。桜咲司法書士事務所所長。宅本建太郎の上司にして恋人。元アイドルで可愛い顔立ちに、小柄ながらもB90 W60 H86と素晴らしいボディの持ち主。

杏咲琴美(ヒロイン2)
宅建士。『株式会社 宅本・オーガナイゼーション』の社員。大人の女性の魅力にあふれている美人秘書。後に宅本建太郎の専属秘書になる。

不動産王 宅本健一
『株式会社 宅本・オーガナイゼーション』の会長兼社長。父親から受け継いだ不動産業を発展させ、多数の不動産を保有し、その資産の総額は数千億円にも達すると言われている。政界にも進出し、一時は都知事に選ばれるかというところまで行ったが、失言のオンパレードが災いして、都知事の座を逃した。



●編者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
大滝 七夕
法学部在学中に行政書士、宅建等の資格を取得し、卒業後は、行政書士事務所、法律事務所等に勤務する傍ら、法律雑誌の記事や小説を執筆し、作家デビュー。法律知識と実務経験をもとにしたリーガルサスペンスを中心に、ファンタジーや武侠小説などを執筆している。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

「大滝七夕って何者?」と興味を持ってくださった方は、先ず、こちらのシリーズをご覧ください。



バイト補助者からの成り上がり 実録行政書士開業十年

 平成十五年の行政書士試験合格後、大学卒業と共に行政書士補助者となるも二か月で失業。
 人生で最もどん底の時期を生き抜き、人脈、資金、営業経験ゼロの状態から弁護士と行政書士の合同事務所を設立し、現在、十周年を過ぎた私の開業初期の実体験を記した手記。

 私の趣味と特技は小説の執筆です。学生時代は、非モテの引き籠り体質で友達が全くいませんでした。
 はっきり言って士業には全く向いていない人間です。
 おまけに、開業した時は失業状態で、資金はゼロ。行政書士会に払う登録手数料や入会金を支払うお金もありませんでした。
 何の計画もなく、見切り発車したにもかかわらず、行政書士として十年以上生き抜き、一千万以上の売上を上げている理由は、私だけの独自の営業手法『チラシ小説』にあります。
 その秘密をほんのちょっと公開しています。
 行政書士の方だけでなく、弁護士、司法書士、税理士、社会保険労務士等の他士業でも使える方法です。興味がある方は参考にしてください。

※この小説は行政書士等士業の開業テクニックを披露する事に主眼をおいたものではありません。私のプロフィールを少し詳細に紹介している私小説に過ぎないことをご承知おきください。


現在大滝七夕名義で公開している小説一覧(今後も続々増えます!お楽しみに♪)

楽々合格国家資格試験シリーズ
ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 権利関係1
ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 権利関係2
ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 権利関係3
ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 法令上の制限1
ライトノベル小説で学ぶ宅建士試験基本テキスト 法令上の制限2

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年収一千万の行政書士補助者
地下アイドル殺害事件 一億稼ぐ行政書士の事件簿1
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